ゆうこすさん

ゆうこすさんインタビュー

「生理=恥ずかしい」からの脱却。ゆうこすさんが体験を通して伝えたい婦人科受診の重要性

あなたのまわりに生理のこと、話せる相手はいますか? たとえ女の子同士であっても、生理のことを話すのは恥ずかしいと考える人は、案外多いかもしれません。でも、もしものときに相談できる相手がいたら、不安な気持ちがラクになることもあるのでは。つい先日、元気なお子さんを出産された、実業家でモデルでインフルエンサーのゆうこすさんが、「生理について話すのは恥ずかしい」と考えていた時代のことを話してくれました。


女の子同士でも話せなかった、生理のこと
 

私が育った福岡県の地方では、「生理=隠すべきもの」という考え方が一般的でした。生理用品は絶対に人に見られないよう隠すのが当たり前。生理が来ている、生理があることを男子に知られたら終わり、という雰囲気のなかで、多感な時期を過ごしました。
 
そんなこともあり、会社を立ち上げた当初は、生理用品の会社さんからお仕事のお声掛けがあってもすべてお断りしていました。「生理のことを人前で話すなんて恥ずかしい」と思っていたからです。当時の私は、たとえ女の子同士であっても生理について話すことができませんでした。

 

ゆうこすさん
 
生理用品を買うことも「はしたない」と考えていて、生理用のナプキンを買うことすらためらうほどでした。打ち上げなどで行った居酒屋のトイレに生理用品が置いてあるのを見ても恥ずかしく、気まずさを感じたものです。
 
でも、ある時、友人に誘われて参加した打ち合わせで、男性のスタッフが生理について話している場面に出会い、考え方が180度変わりました。いやらしい感じがまったくなく、彼がヘルスケアの話題として自然に話していたことに驚き、「生理の話題は人前で話しても大丈夫だ」と気付かされました。それ以降、自分でも調べるようになりました。


「生理が来ない=ラッキー」と思っていた

 

いろいろなところでお話ししていますが、私は起業した21歳頃、多忙による生活リズムや食生活の乱れなどが影響して、生理が年に1~2回しかありませんでした。しかも、そのことを悪いとは思っておらず、「生理がなくてラッキー」「生理が来ない自分、かっこいい」くらいに考えていたんです。
 
しかし、もともと年に数回しか来ていなかった生理が、起業して忙しくなりストレスが増えたことで、さらに来なくなると、そうも言っていられなくなりました。前回の生理について尋ねられても、それがいつだったのか思い出せないほど生理が来ていませんでした。その影響がメンタルにも出始め、さすがにマズいだろうと思い、自分の生理をちゃんと見直すべきと考えをあらためました。そして、初めて婦人科を受診しました。
 
ピル(低用量ピル)を飲むようになったのも、その頃からです。生理をコントロールできるようになり、体調もメンタルも安定しました。それまで「生理をコントロールできる」と考えることはなかったですが、ピルを飲み始めてから、生理痛やPMSなどが改善されました。そのメリットに気付いて、「これはインフルエンサーとして発信するべき内容だ」と考え、SNSで発信を始めました。

 


 

若い子が気軽に相談できる環境を

 

生理については学校の保健体育で基本的な知識が教えられますが、生理痛や月経前症候群(PMS)などの具体的な身体変化については十分に教わる機会が少ないです。でも、それこそ、女の子の人生にとって、とても大事なことだと思います。生理をコントロールできる方法があるとわかるだけで、つらさが軽くなる女の子もいるはずです。女の子が自分の心と体をケアするための情報を伝えることも、インフルエンサーとしての一つの役割かなと思っています。
 
私は東京に住むようになったおかげで、良いレディースクリニックと出会えて、信頼できるかかりつけ医を見つけることもできました。年に1~2回しか生理が来ないほどの生理不順でしたが、妊活をして妊娠することもできました。だから今、生理不順で不安な人もあきらめず、かかりつけの婦人科を見つけて、相談してほしいなと思います。
 
それには、受診しやすい環境作りも必要だなと考えています。都市部にはたくさんのレディースクリニックがあり、若い子も受診しやすい環境が整っています。けれども、少し離れると婦人科の数がグッと減るだけでなく、「産婦人科に行く=妊娠」というイメージしかなく、若い子が相談したくても入りづらいということがありますよね。若い子たちがもっともっと気軽に婦人科に相談できる環境を作っていけるといいなと思います。

 

ゆうこす(菅本 裕子)さん

1994年生まれ。福岡県出身。アイドルグループを脱退後、一時的なニート生活を経て、自己プロデュースを開始。「モテクリエイター」という新しい肩書で株式会社KOSを起業。現在はタレント、モデル、SNS アドバイザー、インフルエンサー、YouTuberとして幅広く活躍中。InstagramやYoutubeチャンネルで紹介するコスメなどが完売するなどの影響力を持ち、SNSフォロワーは200万人以上。2025年に第一子を出産。 YouTube:ゆうこすモテちゃんねる

 

山本 尚恵

医療ライター。東京都出身。PR会社、マーケティングリサーチ会社、モバイルコンテンツ制作会社を経て、2009年8月より独立。各種Webメディアや雑誌、書籍にて記事を執筆するうち、医療分野に興味を持ち、医療と医療情報の発信リテラシーを学び、医療ライターに。得意分野はウイメンズヘルス全般と漢方薬。趣味は野球観戦。好きな山田は山田哲人、好きな燕はつば九郎なヤクルトスワローズファン。左投げ左打ち。阿波踊りが特技。

宋美玄 産婦人科医 crumii編集長

この記事の監修医師

院長

宋美玄先生

産婦人科

丸の内の森レディースクリニック院長、ウィメンズヘルスリテラシー協会代表理事産婦人科専門医。臨床の現場に身を置きながら情報番組でコメンテーターをつとめるなど数々のメディアにも出演し、セックスや月経など女性のヘルスケアに関する情報発信を行う。著書に『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』など多数。

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