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気になるキーワード 「産後の生理」#1

産後の生理痛・過多月経は「治療」で楽になる!授乳中も使える選択肢とは

新生児を抱くお母さん

赤ちゃんのお世話に追われる毎日の中、ついにあいつが帰ってきた…!
下腹部から腰にかけての鈍い痛み、椅子から立ち上がった瞬間のドロッという感触…
そう、生理である――。

ドラマチックな導入はさておき、産後、落ち着いた段階で生理の対策についてクリニックに相談にくる方はかなり多いです。初産の方は慣れない赤ちゃんのお世話で、経産婦の方も上の子と同時進行の育児で、毎日大変な日々を過ごしていると思います。

今回の記事では、産後の生理をコントロールするためのさまざまな方法について解説します。
生理痛の対策については、こちらの記事でも詳しく解説しているのですが、産後の女性には以下のような少し特殊な事情があります。

・お産で子宮がダメージを受けているため、回復を待つ必要があること
・母乳育児中であれば、注意する薬があること

その点についても、解説していきたいと思います。

なぜ産後の生理は変わるの?治療が必要な目安は?

産後の生理が妊娠前と違ってくるのはなぜ?

産後の体は、お産のダメージを含めた影響により変化しています。妊娠中に大きくなった子宮は収縮して少しずつ元の大きさへ戻り、ホルモンの環境も「妊娠モード」から「日常モード」へ。それに加え、母乳育児をしている方は、母乳を出すためのホルモン(プロラクチン)の影響で排卵が抑えられて、生理の戻り方や周期にも影響します。

それに産後は睡眠不足や抱っこで腰や骨盤まわりも酷使されているため、月経以外に痛みが増幅されやすいという面も。

産後の生理はいつ戻ってくる?

産後の子宮は、はがれ落ちた胎盤の跡を修復します。3カ月くらいかけて子宮内膜が再生し、元のサイズに戻っていきます。その後、次の妊娠の準備ができると生理が戻ってきます。産後の生理の復活がいつになるかは、個人差が大きいのですが、だいたい2カ月〜1年くらいとされています。1年半以上も月経が戻ってこない場合は、産婦人科で相談してみてください。

一般的には、授乳をしていると、プロラクチンというホルモンが卵巣の機能を抑制する働きをするので、授乳している人のほうが生理の復活までの期間が長くなります。ミルク育児の方はだいたい半年、授乳中の方は1年以上生理がないこともあります。

痛みにおなかを抱えてうずくまる女性
産後の生理は、妊娠前と違うことも Photo:PIXTA

受診の目安は?

生理の痛みや出血量が、「イヤだなぁ」と思うレベルなら、治療で改善したほうが良い領域に入っていると考えてOKです。実際、痛みが強かったり、頻繁にナプキンを替える必要があるくらい出血が多かったり、そのために貧血になっていたりして、育児に支障をきたす場合には治療対象になり得ます。

以下は、厚生労働省の資料で示されている、女性特有の健康課題に関する受診の目安の一例です。(生理痛や過多月経に関する主な部分を抜粋)

・鎮痛剤がきかない
・痛みがひどい
・日常生活に支障が出る
・昼間でも夜用ナプキンが必要
・ナプキンが1〜2時間もたない
・レバーのような血のかたまりが何回も出る
・月経前に毎月繰り返す症状がつらい

大事なのは、「気のせいかも」と思わないこと。妊娠前から生理が重かったり、痛みに慣れてしまっている人ほど、「こんなもんだったっけな?」と放置してしまいがちです。

crumiiでは各方面の記事で注意喚起しまくっていますが、生理に伴う症状で苦痛を感じたり、痛みや月経量が多いと感じたら、我慢しないでぜひ医師を頼ってください。

産後の避妊は「生理が来てから」では
遅いこともある?!

産後に1回も生理が来ていないのに妊娠することがあります。誤解している方が多いのですが、 生理というのは、「排卵があったけど、妊娠しませんでしたよ」という結果なので、生理が来る前にもう排卵は起こっているのです。だから、産後の最初の排卵で妊娠すると、1回も生理が来ないまま次の妊娠となってしまうのです。

産後の生理コントロールは、単に生理を楽にするだけではなくて、望まない直近の妊娠を防ぎ、次の妊娠のタイミングをコントロールする、という重要な意味もあります。

妊娠反応陽性で驚く女性
Photo:PIXTA

産後の生理対策には、大きく3つの選択肢があります。授乳の状況や、避妊・治療のどちらを優先するかによって、向いている方法が変わります。それぞれの詳しい解説は明日以降解説していきますので、公開後に以下からどうぞ。

→ 総論 産後の生理が戻ってくるタイミングや注意点とは?(この記事)
→【ミレーナ】飲み忘れしにくい・避妊と治療を同時に(明日公開予定)
→【スリンダ】産後早めに飲める国内初のミニピル(明後日公開予定)
→【ジエノゲスト】生理痛・内膜症の治療に特化した保険適用の治療薬(明々後日公開予定)

次回は、授乳中でも選びやすい方法から順に、「どれが、いつから、どんな人に向いているか」を解説していきます。

<参考文献>
バイエル薬品 ミレーナ使用の手引き
あすか製薬 スリンダ 添付文書
持田製薬 ジエノゲスト 患者向医薬品ガイド
UKMEC 2025(College of Sexual and Reproductive Healthcare)英国の避妊適応基準

太田 寛

この記事の監修医師

産婦人科医師

太田寛先生

産婦人科

千葉県成田市リリーベルクリニック勤務。

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